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師匠のドット絵職人に指導を仰いだ後、一緒に食事に行く途中で面白いモノを見つけた。すかさず胸ポケットからデジカメを取り出し、撮影する。その素早さに、師匠は「僕なんてカバンにしまっているから、デジカメを出すまでに時間がかかっちゃうんだ。探しているうちに、まぁいいや、撮らなくても……に変わっちゃう」と言っていた。感動した瞬間に速写できれば、誰だって気持ちイイ。
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世の中、カタチだらけである。どの角度から見ると面白いかを考えながら撮るだけでも、楽しく撮影できる。カタチを楽しむ“遊びゴコロ”さえあれば、何も技術はいらない。それで構図がバチッと決まっていれば、文句なしである。このときは、シンメトリー(左右対称)構図にして撮ってみたら、面白い作品になった。動いているエスカレーターでもブレずに撮れるのだから、デジカメってスゴイ。
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お店の入口にキラキラと眩い照明。上部に大きく写っている照明が本物で、あとは鏡の効果によって演出されている。その場の雰囲気を大切にするためには、撮りたいモノだけを撮るよりも、周りを小道具的に入れてあげると良い。それが、主役を引き立てるコツである。かなり眩しい照明だったので、銀塩カメラだと露出を補正するという難しい作業が出てくるのだが、デジカメはシャッターを押すだけで綺麗に写る。
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この時期、街中はイルミネーションであふれている。この写真は、ショーウィンドーの中に飾られたクリスマスツリーを撮ったものだ。ツリーのライトがわずかしかなく、普通に撮ったのではブレてしまうと思ったので、シャッターを切った後、円を描くようにカメラを時計回りに動かしてみた。半円描いたところでシャッターが切れたので、丸にはならなかったが、面白い写真になった。ただし、傍から見ると怪しい行為ではある。
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大好きな橋、勝鬨橋。その美しいフォルムは、見るものを飽きさせない。このアーチ部分は明るさのバランスが極端で、デジカメでどのように写るか不安であった。しかし、明るいところから暗いところまで、しっかりとトーンを出してくれた。これだけのクオリティで写ってくれれば、十分と言えるだろう。
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シャッターチャンスを逃すな
「いいねぇ!」と思ってから、シャッターを切るまでの間隔が短ければ短いほど、気持ち良く撮影できる。何かを感じた時、それが、その人にとっての“シャッターチャンス”だから、少しでも早くシャッターを切ったほうが、誰だってストレスにならない。
しかし、デジカメでは、その“シャッターチャンス”を撮り逃すことが多い。電源オンから撮影体勢に入るまで、少々時間がかかるからだ。シャッターを押しているのに、なかなか撮影されないというデジカメ特有のタイムラグは、撮影者には、なんともモドカシイ。
僕が今までデジカメに手を出さなかったのは、実は撮影時のストレスを敬遠していたからである。銀塩カメラでは、その瞬間を捉えることができていたのに、デジカメで同じようにできないのが嫌だったのだ。
「ナイモノはナイんだ。ナイモノねだりするな、このダダッ子めが!」と言われたって、「ヤダモン、ヤダモン! 嫌だモンねぇ! ぷ〜」と言い続けていたのだ。
しかし、最近のデジカメは、僕が“ダダッ子”にならなくても済むような機種が出てきている。僕が使用しているデジカメもタイムラグが短く、ほとんどストレスを感じないで撮影できる。
編集者Hさんが、「放浪写真家は“ダダッ子”だからなぁ。楽しんで撮影してもらえるような機種にしないと……」と思って選んでくれたのかどうかは、本人に聞いてみないと分からないが、僕がデジカメを楽しみながら撮影しているのは事実だ。
それに最近、なんとなくではあるが、使用しているデジカメの“癖”も分かってきた。つまり、どのような状況の時に、どんな風に写るか、想像できるようになってきたのである。一度撮影して結果が分かっていれば、次に同じシチュエーションで撮影する時、もっと良く写すためにどんな対処が必要か、判断できる。
これがいわゆる“データ”というやつで、自分で覚えておかないと、何度も同じ失敗をしてしまうのである。この1カ月間、様々なシチュエーションで撮影してきたが、それが徐々に自分のデータになりつつあるのだ。
今回は、僕が日ごろ撮ることが多い“夜景”を選んでみた。「デジカメでは夜景が上手く撮れない」という声をよく聞くが、僕は全然そんなことないと思っている。
上手く撮れない原因としては、
・暗いからブレる
・邪魔なモノが入っている
・ストロボの使い方が悪い
・露出ミス
などが考えられる。でも、条件は僕も同じである。デジカメにおいては三脚も使っていない。同じようにシャッターを押しているだけだが、何が違うのか。
それは、“見せたいモノは何か”だけを考えて撮影していること。当然、被写体に近づいて撮ることになるが、「撮ろうと思った位置から、あと1歩前へ出て撮影する」というのがカラダにしみついているので、まったく苦にならない。
撮影ブレへの対処は、しっかりと手で固定し、「危ないな」と思ったら何枚でも撮ることである。ブレるような条件のところでは、思いっきりブラしてしまうような“遊びゴコロ”があっても良い。
僕の場合、撮影条件はあまり問題としていない。「いいねぇ」とか「こんな風に写したい」とか「写るかな?」と思ったら、迷わず撮るようにしている。気の向くまま、素直にシャッターを切れば、結果がダメでもストレスは生まれない。
銀塩カメラだとフィルム代がもったいなくて、なかなかできない行為かもしれないけど、デジカメは違う。いらなかったら消せばイイ。
「お金がかかる。モッタイナイ」というストレスがなくなったことで、写真を撮る行為そのものを純粋に楽しめる。その場で納得いくまで撮影できるし、それで結果が面白かったら、イイじゃない。
決して結果を恐れてはならない。「もしかしたら……」と思ったら写す。大切なのは、迷わずシャッターを切ること。1枚でも多く、自分なりの「いいねぇ」という瞬間を残していきたい。
あとは、なぜそう写ったのか、どうして失敗したか、自分なりに原因を見つけられれば、次回に役立つ。写真とは、その繰り返しである。
思いがけず始まった僕のデジカメライフ。2002年も、ますます楽しめそうな気がする。
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