ようやくというか、なんというか、いろいろなものから解放され、モンゴルへ旅立つことができそうだ。みなさんがこれを読んでいる今、僕は北京からの国際列車に揺られてモンゴルを目指している頃かもしれない。いや、もしかしたら、ウランバートルへ到着しているかな。





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モンゴルへ持っていくフィルムは、200本超。プラスチックの容器を減らしても、重さは9キロを超えてしまった。一方、デジカメはスマートメディアが5枚ほど。フィルムを使って撮るのが、ものすごく古臭い気がしてならない。なんだか悔しいので、ピラミッドを作って、スマートメディアを見下ろしてやった。この写真は、フィルムの背後から自然光が入る部屋で、バックに黒布をセットして撮影。オートで普通に撮影すると黒がしまらないので、マニュアル設定にしてマイナス1.5補正した。





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フィルムが重けりゃ、機材はもっと重い。一眼レフカメラのボディ4台に、レンズは500ミリの超望遠レンズも入れて7本。そして、2眼レフのパノラマカメラ。写真には写っていないが、コンパクトカメラにデジカメもそれぞれ1台ずつ、他に三脚が2本と、1脚が1本。合計何キロだろうか。あっ、テレコンバーターに中間リング、ストロボなどもあったか! あぁ、考えたくもない数字になってしまったぁ……。この写真は、黒布の上にカメラを見栄えよく置いて、蛍光灯下で撮影。





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今回、初めて使用する「モバイル太陽電池」。このソーラーパネルに光が当たると、専用の充電池に充電される仕組みになっている。説明書には「使用温度:0〜45度」と書かれているが、氷点下のモンゴルでも、しっかりと機能してくれるのだろうか。使えたとしても、充電は2本ずつなので、曇りの日が続くとストレスが溜まりそうだ。この写真は、左手でパネルを太陽光に当たる角度にして、右手で撮影。





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目指すは、モンゴル西部。地図から判断すると、この辺は湖沼と山々が多いようだ。まだ行ったことがないので、今回もG.P.Sと航空地図が活躍しそうな予感。西部は、運転手・バットスフ(モンゴリアン・チョップU&Vを参照)の故郷らしいので、今回はそこでモンゴルのお正月を過ごせればと考えている。ちなみに、今年のモンゴルのお正月(元日)は2月13日と聞いた。現地のモンゴル人写真家によれば、モンゴル西部は今年も雪害に遭い、大変な事態になっているらしい。
重さの違いに愕然!


それは、モンゴル行きの旅支度をしている時だった。

「あ〜っ!! 何なんだよっ、この大きさの違いはよぉ!」

カメラのフィルムとデジカメのメディアの大きさがあまりに違うので、僕は思わず声を上げてしまった。分かっていたこととは言え、並べてみると大きさの違いは歴然としている。

フィルムの方は、ピラミッドが作れてしまうほどの嵩があり、重い。体重計で量ってみると、200本超のフィルムは9キロぐらいあった。

一方、デジカメのメディアは、嫌味なぐらい小さく軽い。体重計にのせて量るまでもない。並べてみると、改めて、その大きさの違いを認識させられてしまった。

「あぁ、時代は確実に変わったんだよ。今頃、世界じゃ、デジタルの風がビュンビュン吹いているんだ、きっと。おそらくデジカメとメディア数枚だけで旅している人も多いのだろうなぁ。それに引き換え、なんだ、この僕のアナログ重装備は!」

なんだか、旅に出る前に憂鬱になってしまった。

旅に行く時、いつも思う。カバン1つで旅ができたら、どんなに楽かなぁ……と。でも、僕が海外へ行く時は、カメラ、レンズ、三脚、フィルムは不可欠。加えて、「行くからには、撮影した方が絶対に得!」という貧乏性が、荷物を多くさせてしまうらしい。

「どんな荷物よりも、カメラ機材が優先!」を心がけて荷造りするので、入らなければ、カメラ以外のものはあきらめる。衣類はほとんどなく、最低限必要なモノを着ていって、あとは現地で手に入れるようにしている。

機材だけは、行った先に必ずあるとは限らないし、信頼性の問題もあるので、荷物になると分かっていても、準備していった方が無難である。

とはいえ、今回は、カメラ機材が多い。状況に合わせた写真を撮るためには、どうしてもレンズやカメラ、フィルムを変えることになるので、仕方がないといえば仕方がないのだが、やっぱり重たい。どうにかならないかなぁ。

で、「肝心なデジカメの機材は?」というと、いつも使用しているカメラが1台のみ。パソコンは持っていかないので、64メガのメディアを5枚ほど用意したが、これだけでも、僕の設定で約1000枚は撮れるはずだ。十分でしょ?

あとは予備電池を多めに用意すれば、準備完了。銀塩カメラ機材に比べ、デジカメは比較する必要のないぐらい軽い。これだけなら、憧れのカバン1つの旅も夢ではないだろう。

それから、デジカメの電池には、新兵器を用意した。太陽光で充電できる電池、その名も「モバイル太陽電池」。

この新兵器によって、電池消耗の激しいデジカメ撮影も“なんのその!”で撮れる予定なのだ。ただし、このモバイル太陽電池が確実に作動してくれればの話ではあるが……。

この電池の説明書には、使用できる温度は0〜45度とある。また、窓越しで充電すると充電時間は倍ぐらい掛かるらしい。冬のモンゴルは晴れている日が多いので、充電するのは大丈夫そうだが、気温は確実に氷点下である。

さて、どうなるであろうか。こればっかりは、現地でテストしてみないとワカラナイ。

電気の供給のないところでどこまでできるか、結果が楽しみである。まぁ、撮影はデジカメだけじゃないし、使えなかったら、すんなりあきらめよう。文明の利器は、電池(電源)がないと、まるで機能しないのが難点だ。

今回の放浪では、まだ行ったことのないモンゴルの西部へ行ってみようかなぁと思案中。何があるのか詳しくは知らないが、運転手・バットスフの故郷らしく、彼が、

「西の方はイイ所だよ。次に来た時はぜひ行こうよ」

と繰り返し言っていたので、どんなところか自分の目で確かめてみたくなったのである。また、モンゴル西部には3000メートルを超える山もたくさんあるので、ユキヒョウ情報もあるのではないだろうか。ちょっぴり期待。

先日、モンゴル人写真家に状況確認の連絡をしたところ、

「昨年、一昨年と続いたモンゴルの大寒波は、今年はない。むしろ暖かいぐらいだ。ただ、モンゴル西部だけは雪害がヒドイので、同じように家畜の被害が出ている」

と言っていた。はてさて、どうなることか。

まぁ、あまり雪が深いと、スタックして帰って来られなくなることも考えられる。どこまで行けるか分からないが、いつもの調子で、無理せず、楽しんでこられればいいかな、と思っているところだ。

帰国後に、デジカメ版『モンゴリアン・チョップ』が書けたら、いいなぁ。


by 清水哲朗

つづく

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