清水哲朗(しみず てつろう)

1975年横浜生まれ。  日本写真芸術専門学校を卒業後、写真家・竹内敏信氏の助手を3年間務め、98年にフリーランスの写真家となる。97年、竹内氏の写真展がウランバートルで開催された際にモンゴル初入国。以来、毎年2カ月はモンゴルを放浪し、作品を撮っている。出会ったり、お世話になった遊牧民は数知れない。ちなみに、日本ではカラスやネズミなど都会に住む動物を撮影している。





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この地図では日本が大きめに描かれているけど、モンゴルの国土は日本の約4倍の広さがある。
第1話   怪しい東洋人


小学校1、2年生の頃、学校の図書室である本を見た。そこには、モンゴルのゴビ砂漠で発見された恐竜と、その卵の化石が載っていた。

幼かった私は、それだけでもすっかり夢心地にさせられていた。おまけに本の最後には、「未だに発見されていない化石も多数あるかもしれない」なんて思わせぶりなことまで書いてあったので、将来絶対ゴビ砂漠に行き、恐竜の化石を見つけてやろうと本気で考えてしまった(それから20年後、化石探しとは関係なく、ひょんなことでその国へ行くこととなる)。

モンゴルへ行くには、中国の北京から飛行機または国際列車で北上するルート、ロシアのモスクワもしくはイルクーツクから飛行機または国際列車で南下するルート、韓国のソウルから飛行機で入るルート、季節限定だが大阪から直行便で入るルートがある。

どのルートも飛行機ならピューで到着だが、列車だと北京、イルクーツクが1泊2日、モスクワに至っては4泊5日かかる。これは、あくまで首都ウランバートルへの入り方である。

ウランバートルは、モンゴル旅行の拠点にあたる場所だ。カメラマンの私の場合、荷物は写真機材の他に、テントなどのキャンプ用品を持っていく。合わせて40〜50Kgぐらいあるので、バックパッカーのようなザック1つでの身軽な旅はできない。そこで、ウランバートルで車をチャーターし、1カ月分の食料をまとめ買いし、地方へ出発することにしている。

旅の基本は、服など身の回りのモノを現地で調達することに始まる。この夏も例にもれず、上から下まで買い揃えてみた。アジアの場合、そうすることで、その土地の人間に見えるようになるコトもある。が、左の写真ではどう見ても怪しい東洋人だ。

「ありゃ、間違えて変身しちゃったかな。まあいい、気にするな」と自分を慰めつつも、ちょっと不安な旅の始まりであった。


by 清水哲朗

つづく



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