【モンゴル放浪メモ】               ◆旅の途中、「水」はどうする?
ゴビ砂漠など地方へ行くとき、水を入れる容器は必需品だ。ある程度はウランバートルから水道水を入れて持っていけるが、料理などですぐ底をついてしまうし、暑くて水が腐ってしまうこともある。南の方は川や湖が少ないので、遊牧民が掘った井戸で必要最低限の水を汲ませてもらうのが僕の方法。ゴム製のバケツを使い、人力で汲み上げると、新鮮な冷たい水が手に入る。お礼に、家畜たちへの水やりをしてあげると喜ばれる。





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ゴビ砂漠の中のオアシス。気温は40度を超えている。




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砂にできた風紋。大自然が作り出す美しさに脱帽!



ゴビ砂漠はモンゴルの南に位置する。
第4話   気がつけばゴビ砂漠


「モンゴリアンブルー」と呼ばれる蒼く深く澄み切った空の下、僕を乗せたプルゴン(ロシア製ワゴン車の通称)は、あいかわらずのデコボコ道を快走している。

さすがにもう、手を振る遊牧民のことは気にならなくなった。辺りは心なしか草が少なくなり、土が露出しているところが増えてきた。

天気があまりにいいので、「ウーン、気持ちイイ〜」とノビをしながらドライブしたい気分。でも、実際は砂ぼこりが激しすぎて、それどころではない。

後部座席に置いてある荷物は、すでに砂が数ミリ積もって真っ白けっけ。かけているメガネはゴーグル代わりになり、砂の侵入をわずかに防いでくれている。

ホコリっぽいんで、なんだかノドが痛くなってきたよ、オイラは...。

仕方がないので帽子を目深にかぶり、鼻と口はカウボーイのようにバンダナで覆い、砂に対して完全武装をとってみた。

「いつでもかかってこいってんだ、コノヤロウ」と鼻息の荒くなった僕を後目に、モンゴル人の運転手はといえば、頭をかきむしりながら平然と運転していた。

「なかなかやるな、運転手め」と思ったが、どうやら、デコボコ道や砂ぼこりも、この国の人にとっては当然なコトのようである。

モンゴル人は、小さなことでイチイチ文句を言わないし、極力自分で何かをやろうとする民族だ。3歳の子供だって靴ヒモを自分で結ぶからビックリしてしまう。

でも、注意すべきなのは、実際にはできないことまで「デキル」と言う傾向がある点だ。鵜呑みにすると振り回されてしまう。

とはいえ、モンゴルを旅すると、自分がいかに甘やかされた環境育ちの無力でちっぽけな人間だったか気づかされることが多い。僕にとって、それは海外を旅して初めてのカルチャーショックだった。

そんなことを思っているうちに、突如、目の前にドーンと広大な砂山が飛び込んできた。今まで何でもないような風景が続いていたのに、丘を越えたらこれである。

運転手に聞くと、どうやらその砂山こそが小学生の頃に憧れた『ゴビ砂漠』らしいということが分かった。それは、感動させるような前振りもなく現れたのである。


by 清水哲朗

つづく



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