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| 遊牧民のドルジさん。「写真を撮るよ」と言ったら、ラクダに乗ってお茶目なポーズをとってくれた。彼は現在、61歳である。 |
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| 薪(たきぎ)のないところでは、乾燥した家畜のフンを拾い集めて燃やす。ラクダのフンは思いのほか、よく燃えた。 |
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第7話 願ったり叶ったり
砂漠を後にし、僕は次に向かう場所を中国にほど近い山脈と決めていた。そこにはユキヒョウやオオカミ、オオヤマネコなど、世界的に珍しい動物がウジャウジャ生息していると、モンゴル人から聞いていたからである。
珍しい動物がウジャウジャいるなんて聞くと、その情報を確かめる前に行ってみたくなるのが写真家である。しかも、もう撮れた気分になってしまっている。
『欲深いな』と思いつつも、鼻息荒く、好奇心の塊となった僕は、自分の目で確かめなきゃ気が済まなくなっていた。
そもそもユキヒョウは、日本の多摩動物公園で初めて見たとき、その美しさに一目惚れしてしまった動物である。動物園で撮影しているうちに、だんだん野生の姿を撮影したいという気持ちが強くなり、今回、はるばるモンゴルくんだりまで来てしまったのだ。
車を山脈のある南へと走らせる。デコボコ道の移動も、日が経つにつれて慣れてきた。今では車がどこで跳びはねて自分のケツが浮いてしまうのか分かるようになり、デコボコにタイミングを合わせて体を自在に動かせるまでに進化した僕は、余裕の口笛なんか吹いてみちゃったりする。
途中、いくつかのゲルに立ち寄り、動物情報を収集した。話を聞くと、やはりこの辺りにはユキヒョウが多く、出会う確率も高いらしい。撮影もかなり期待できそうで、単純な僕はますます鼻息が荒くなる。
しかし、不安な情報もあった。それは、家畜の他に『人も襲うよ』という話を遊牧民からずいぶん聞いてしまったことである。僕が調べた図鑑には、『ユキヒョウは家畜は襲うが、人を襲うことはない』と書いてあったので安心していたのだが、どうやらそうでもなさそうだ。
心配な僕は、この辺りで動物に詳しいと言われている遊牧民のドルジさんを紹介してもらい、彼と一緒にユキヒョウの住む山中に入ることにした。ドルジさんは、
「車を置いて山へ行きましょう」
と僕に言った。
「何で行くんですか」
と聞き返すと、ドルジさんは遠くを見た。その視線の先には、何とラクダが数頭いるではないか。願ったり叶ったりの僕は、ニヤリと笑みを浮かべた。
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